SCMとは?

Business

最近騒がれてるけど「SCM ってなに?」という人は多いかと思います。

今、SCMは3度目のブームを迎えようとしています。知っていましたか?

サプライ・チェーン・マネジメント(Supply Chain Management:SCM)とは、商品や物資の供給を一貫して計画し管理する概念です。この「全体最適」をを目指す経営管理手法は、2000年頃に一度ブームになったが、近年、再び注目され始めています。それは何故なのでしょうか。改めて、サプライ・チェーン・マネジメントの仕組みをおさらいしておきましょう。

サプライ・チェーン・マネジメントとは

まず、「サプライ・チェーン」とは、原材料が調達されてから商品が消費者に渡るまで生産・流通のプロセスのことです。「原材料・部品調達→生産→販売→消費」という一連のプロセスの連鎖のことを指します。具体的には、「サプライヤー→メーカー→物流事業者→卸売事業者→消費者」という流れのことです。一方、情報やお金は、サプライ・チェーンと逆方向に流れることになります。

サプライ・チェーン・マネジメントとは、こうしたモノの流れ、お金の流れを情報の流れと結びつけ、サプライ・チェーン全体で情報を共有し、全体最適化を図る経営手法です。ここで重要なのは、部分最適の和が必ずしも全体最適を意味する訳ではないということです。

サプライヤー、メーカー、物流事業者、卸売事業者が各々の利益のみを追求すると、サプライ・チェーン全体としての利益は下がってしまうのはSCMに関する研究で明らかになっていることです。

サプライ・チェーン・マネジメント概要

かなり簡潔に書きます。

18世紀に起きた産業革命の影響で生産性あるいは生産効率は徐々に高まり、19世紀後半になると人々が必要とする以上に製品が市場に出回ることになりました。つまり「造れば売れる」という生産志向が,「如何にして売るか」という販売志向へ徐々に変わってきたのです。以降、20世紀に入ると大量生産が広く行われるようになり、大量消費時代に突入します。そこで「全体最適」を目指す管理手法であるSCMに注目が集まりました。一度目のSCMブームです。

IT革命、バブルの崩壊、リーマンショック、市場の変化のスピードの加速、グローバル競争の激化など外部要因が大きく変化し、世界規模でのサプライ・チェーン(グローバル・サプライ・チェーン)の構築が求められました。加えて、市場の成熟化が進み、消費の多様化」と呼ばれる傾向が強くなりました。具体的には、消費者の嗜好は多様化し、消費者が購入する品目が増え、製品のライフサイクルの短縮化が進みました。この問題を解決するための「全体最適」の概念が注目を集めました。2度目のSCMブームです。

そして「消費の時代」から「利用の時代」へとシフトしている現在AIやIoTなどの技術革新によりSCMも新たな変革を求められています。3度目のSCMブームになるでしょう。

補足

似たような言葉で、バリュー・チェーン、ブロック・チェーンとかあります。
区別できていない人が多いので、一旦簡単に整理。分かる方は読み飛ばしてください。

バリュー・チェーン

自社や競合他社の事業を機能別に分類し、どの工程においてどのくらいの量の付加価値が生まれているのかを分析し、課題の洗い出しや競争優位性を高める差別化戦略の構築を容易にしてくれる優れたフレームワークです。

ブロック・チェーン

仮想通貨で注目されたブロック・チェーン。一言でいうと、分散型台帳技術または分散型ネットワークを指します。
サプライ・チェーンとは全く関係ないです。

デマンドチェーン

商品の供給側からの情報を基点に管理を行うサプライ・チェーン・マネジメントに対して、需要側(消費者等)から得られる情報を起点として商品開発、生産、供給計画、流通、販売体制を管理するのがデマンド・チェーンです。